X-HUBを経て、世界へ羽ばたく5社
– 米国東海岸進出コース参加企業紹介 –

vol.04米国東海岸コース

2018.03.08

X-HUB TOKYOが実施するアクセラレーションプログラム、「米国東海岸コース」が修了した。2017年11月から始まった、X-HUBとして初めてのプログラムであるこのコースには、多くの応募企業の中から採択された5社が参加。海外投資家へのピッチの指導やメンタリングのみならず、海外進出に不可欠な法務面のサポートや英語でのコミュニケーションスキルアップなど、様々な角度からの支援が約3ヶ月間という短期集中型で展開された。 参加した5社はどのような目的で参加をしたのか。そしてプログラムが終わった今、何を考えているのだろうか。企業ごとに紹介していく。


1. MATCHA(マッチャ)

訪日外国人向けウェブマガジン『MATCHA』は、現在10言語に対応し、世界200以上の地域と国・月間180万UUのアクセスがある、訪日観光メディアだ。現在全訪日観光客数の約8~10%の利用(MATCHA調べ)を得ており、「ゆくゆくは世界最大の訪日観光プラットフォームにしたい」と代表の青木優氏は語る。 訪日観光の市場は現在約5兆円、2020年には8兆円になると言われている。その巨大マーケットに本格参入するためには、海外パートナーとの連携が不可欠。そう考えた青木氏は、X-HUBの本プログラムに参加した。 「今後は海外提携先をさらに増やすとともに、事業をメディアだけでなく旅以外の「仕事」や「居住」に関連する事業へと拡大していきたい」と考えている。


2. Bespoke(ビースポーク)

ビースポークが開発しているのは『Bebot(ビーボット)』という24時間365日いつでも訪日外国人をサポートするAIコンシェルジュだ。よくある質問やリクエストに対し、自動で多言語対応。チャット上で飲食店予約も簡単、貴重な口コミ投稿も促進と、人手不足に悩む事業者の業務効率化に貢献している。非常に高い利便性が受け、サービス開始以来、国内外で採用施設が増加中。1000年の歴史を持つ高級老舗旅館からやホリデイ・インを始めとする宿泊施設はもちろんのこと、2017年11月からは成田国際空港でも導入開始。 また、海外第1弾として、フィリピンの首都マニラにあるフランス系の高級ホテル「ソフィテル・フィリピン・プラザ・マニラ」に18年1月から納入、さらにシンガポールやスイス観光局と協議を進めており、海外展開を加速させている。CEOの綱川明美氏は、今後このプログラムでの足掛かりを活かし、北米地域にも進出していきたいと考えている。


3. Phantom AI(ファントムエーアイ)

AIを活用し、株価のトレンドを読み的確な週間株価予報を出す。ファントムエーアイが海外展開を狙う『Phantom AIエンジン』である。プロのトレーダーにとっては当たり前に知っている季節・年度に起因する株価変動だが、一般の人々にとっては非常に高度な分析であり、株価を適切に読むことが難しいのが現状である。 これまで事業の立ち上げや投資等に多く携わり、フィンテック協会理事も務めるCEOの荻野調氏は「トレーダー達が通常使っているボリンジャーバンドなどいくつかの代表的な指標よりも、より正確な予測値を提供することができる」と語る。荻野氏はアメリカの金融機関にも導入し、さらなる拡大を狙っている。

4. Zpper(ズピア)

ズピアが運営する『Vetpeer(ベットピア)』は獣医師向けのコミュニティサイトだ。代表の藤本裕氏は、「獣医師は技術者であると同時に、経営者でもある場合が多い。つまり、自分の事業を成功させるための経営スキルの学習も必要なのです。Vetpeerでは、獣医師のそれらのニーズを満たすための様々なコミュニケーション型の機能を無料で提供しています」と話す。 国内では徐々に知名度やユーザーも増えつつある一方で、藤本氏が目を向けたのは主に英語圏の国々だ。英語圏の獣医向けサービスというと、ニュースメディアか有料のコミュニティサイトが主流。医療技術は全世界共通であり、最新技術はグローバルにかつ迅速に共有されるべきだと考える藤本氏は、世界中の獣医師たちが臨床技術・知識を高め合えるプラットフォームを目指している。 本プログラムでは、当初は難航を覚悟していたという米国進出の足掛かり作りを着実に成功させ、現在は本格進出に向けて現地関連企業との連携を進めていく。

5. Caulis(カウリス)

スマートスピーカーやスマートホーム、これから実用化が進むであろう自動運転など、AIやIoTの技術が一般の人々に浸透しつつある中で、セキュリティに関する課題は尽きない。それをクリアすべく、カウリスが開発しているのが『FraudAlert(フロードアラート)』というクラウド型不正アクセス検知サービスだ。ウェブサービスにおけるなりすまし不正ログインの防止から、コネクテッド・カーなどにおける不正アクセス検知など多領域での活用が期待されている。 実はボストンには大企業の本社が多く集積しており、特にこれからさらなるスマート化が予測されるエネルギー関連事業を手がける企業も多い。そういった業界や企業に対し、市場調査やパートナー提携を目的に、創業者兼CEOの島津敦好氏は本プログラムに参加した。 今後はすでに着手しているシンガポールを拠点としたアジア展開に向けた準備に加え、本プログラムで足掛かりを作ったニューヨークやボストンといったグローバルなスタートアップ・ハブへの展開を検討している。

X-HUBプログラムを経て海外進出の足がかりをつくった各社。今後、日本国内のみならず海外でのさらなる飛躍が期待される。