多民族、多言語国家のマレーシアは日本にとっても魅力的なマーケットです。日本にはない高い成長力に期待して、海外進出や会社設立を検討している企業もあるかもしれません。マレーシアの法人税や会社設立の注意点を紹介します。

マレーシアでの会社設立手続き

マレーシアは日本にとっても重要な貿易相手国です。マレーシアは2019年第2四半期のGDP成長率は、前年同期比4.9%増と安定した経済成長を続けています。また個人消費も活発で、これからは世界規模の消費市場としても期待が持てるでしょう。

マレーシアに進出する形態は現地法人の設立のほか、支店や駐在員事務所を設立する方法があります。ただし、マレーシアでは駐在員事務所はあくまで過程で本格的に事業をおこなう前の段階と認識がされています。そのため、駐在員事務所に認められている設置期間は通常2年間。基本的には現地法人形態での進出が奨励されています。駐在員事務所の活動も市場調査などに限定されていて、営業活動は認められていません。

マレーシアでの会社手続きフローは以下のようになっています。

1.システム上の電子申告

2.会社名の使用に関する要件

3.発起人および取締役の選定

4.会社設立登記申請

5.会社設立登録の確認

マレーシアの法人設立申請は、マレーシア企業委員会(CCM)のホームページから電子申告することができます。また会社名は「king」など王族をイメージされるもの、「national」など政府機関のような印象を与えるものは使用できません。会社名登録手続きには社名1つにつき50リンギット、会社設立登録申請手続きには1,000リンギットの手数料が発生します。
設立時の発起人は1名の発起人と、1名のマレーシア居住取締役が必要です。また会社設立後30日以内に会社秘書役を任命する必要があります。

会社秘書役はマレーシアに居住する自然人で会社秘書役協会の会員であることが求められます。また一部例外を除いて、マレーシアで監査業務の遂行を認められたものを会計監査人として任命しなければいけません。

会社を設立してからもビジネスライセンスの取得や銀行口座の開設など必要な手続きは多くあります。とくにビジネスライセンスはマレー語での申請作業になるため、現地について熟知したコンサルタントの存在が必須です。事業をおこなう地域や業種によっても変わるためその都度確認しましょう。

マレーシアの法人税は?

マレーシアの税制度は日本の税制度と比較してさまざまな違いがあります。日本では国税と、地方自治体の収入となる地方税がありますが、マレーシアでは税金全てが国税となります。またマレーシアで課税されるのはマレーシア国内で発生した所得に対してのみです。

たとえば日本の内国法人であれば、全世界どこで所得が発生しても納税義務を負うことになります。一方でマレーシアの場合は国内源泉所得のみが課税所得です。

マレーシアの税制は属地的な性質を持つため、その所得がマレーシア国内を源泉としているものと、国外から送金されてマレーシアで受領されたという場合は原則マレーシアで課税されます。ただし、個人や銀行業や保険業、空海運業以外の会社がマレーシアで外国源泉所得について受領した場合は免税となります。

またマレーシアでは納税者が居住法人なのか非居住法人なのかによっても課税の様態が変わります。居住法人とは営業の管理や支配がマレーシア国内でおこなわれている法人。つまり取締役会などの意思決定がマレーシア国内でおこなわれている会社を言います。

居住法人の場合は課税所得の24%が法人所得税です。ただし、条件を満たす小規模会社は優遇措置として50万リンギットまでの金額には17%、50万リンギットを超えると24パーセントが所得税率とし適用されます。

マレーシアでの納税手続き

マレーシアでの納税手続き
マレーシアでの納税手続きは日本での確定申告とはまったく違います。マレーシアでは事業年度開始日から、30日前までに事業年度の年間法人所得税見積額をマレーシア国税局に提出しなければいけません。さらにその見積額に基づいて基準期間の2カ月目から毎月15日までに月次納付します。

事業年度の6カ月目、9カ月目に見積もり額の変更をすることもできますが、見積額に基づいた年間の累積納付額が確定ベースの最終税額を30%下回った場合はペナルティが課されます。

設立当初年度は赤字のケースも想定されますが、見積もりをマイナスやゼロにすることはできません。日本人にとっては馴染のない制度になるため、現地の制度に長けた経理スタッフが必要になるでしょう。

まとめ

マレーシアは海外からの直接投資を歓迎していて、多くの外国企業がマレーシアに進出しています。政府は外国企業への規制緩和を積極的におこなうことで、多数の多国籍企業を誘致しています。日本とも直接投資や貿易、技術協力などを通じて親密な関係を築きあげてきました。治安やビジネス環境から見ても日本企業にとって進出しやすい国といえるでしょう。ASEANのハブとしても今後、有力な海外進出先となることが期待できます。

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