世界で第4位の人口を有するインドネシア。インドネシアはインフラ整備も進み、投資環境も整いつつあります。インドネシア経済が安定して発展を継続することができた理由について調べました。

インドネシアの堅調な成長を支えてきた内需

インドネシアは世界的に見ても堅調な成長を維持し続けている国です。世界の主要な新興国は2000年に入ってから経済成長率に陰りが見えはじめました。その中で2000年以降経済成長率がマイナスになっていないのはインドネシアだけです。2008年のリーマンショックで世界各国が大きな打撃を受けるなかでインドネシア経済は4%台の成長を保ちました。

インドネシアの経済成長率は、この数年は5%程度ですが、2010年前後は6%台の成長を維持していました。これは主要な産業である一次産品の価格が高水準だったことも理由でしょう。最近は、コモディティ価格も下落していて、経済成長率は鈍化しています。

インドネシアが世界不況の渦中でも高い成長率を維持できたのは内需主導経済であることが理由です。インドネシアは輸出依存度が低く、旺盛な個人消費が経済成長をけん引しています。

インドネシアの消費市場拡大の理由

インドネシアで消費市場が拡大したのには理由があります。まず製造業やサービス業の発展に伴って雇用が拡大していることが拡大の理由といえるでしょう。またインドネシアの対内直接投資受入額はこの10年間で急増しています。それが自動車や日用品などの内需の投資拡大につながり、製造業が活況となったと考えられます。

もともと2008年~2009年は世界金融危機で多くの国が不況に陥りました。その一方で内需主導の成長が堅調で、政治的にも安定していたインドネシアは有望な投資国として世界で注目を集めたのです。

またインドネシアが発展することで産業構造にも変化があらわれました。農林水産業の比率が低下して、逆に製造業・サービス業の比率が増加しています。いわゆる産業の高度化が進んで、所得水準が上昇したこともインドネシアの消費市場拡大につながっています。

このように産業構造が変わっていくと、農村から都市とその近郊へと人口も移動していきます。インドネシアはスマトラ島やジャワ島、ニューギニア島などからなる列島国家です。この中で経済的な中心地とされているのがジャワ島西部のジャカルタ首都圏。

ジャカルタは、オランダによる東インド支配の時代から政治の中心地として機能してきました。現在ジャカルタ首都圏の人口は急激に増加し、ジャカルタも所得水準も地方の数倍あります。政治と経済の中心地であるジャカルタが消費の中核を担っているのが現状です。

そこでインドネシア政府は首都をジャカルタからジャワ島外に移転する方針を決定しました。首都機能を移転することでジャカルタへの一極集中を無くして、首都圏と地方の格差を是正する目的です。ジャカルタからの首都移転に向けてどのように進むのか今後の動向が注目されています。

インドネシアの個人消費が世界のマーケットに

インドネシアの個人消費が世界のマーケットに
インドネシアのGDPの6割は民間消費です。インドネシアをけん引してきた個人消費は安定した推移を見せています。インドネシアは世界で第4位の人口を抱え、人口増加や最低賃金の上昇を追い風にして拡大を進めてきました。

一時は二輪車販売などの落ち込みが見られましたが、2018年の二輪車販売台数が前年比8.4%増の638.3万台、輸出台数は官民で拡大して44.3%増の62.7万台となりました。生産規模は700万台規模と大きなマーケットになっています。

また国民の生活水準の向上とともに、消費も多様化しています。日用品や通信関連の消費が増加していることも個人消費拡大に寄与しています。安定した消費が続く理由として挙げられるのがインドネシアの若い平均年齢です。インドネシアでは生産年齢人口にボリュームがあり、2055年まで生産年齢人口が増え続けることが予想されています。そのため金融サービスの発達もスピーディーで、ファイナンス業界も発展が期待されます。

所得水準の目安として名目1人当たりGDPを見てみるとインドネシアは3,870.56USドル。これは世界118位で、同じくASEANのフィリピンは3,104.22USドルで131位でした。残念ながら1万ドルを超えて11,072.39USドルのマレーシアとはまだまだ乖離しています。

しかし、今後中長期的に安定した成長を続けて1人当たりGDPが5,000ドル台、10,000ドル台まで上昇すればさらに耐久消費財の普及など個人消費も押し上げられることになるでしょう。インドネシアは人口の厚みがあるだけでなく、今度も成長が期待できる今後も開拓余地が大きい市場と考えられます。

参考:IMF 『WORLD ECONOMIC OUTLOOK DATABASES』

まとめ

インドネシアは通信や流通など急速に近代化が進んでいます。コンビニエンスストアの売上が伸びて、商品やサービスもより利便性の高い方へシフトが進んでいます。これらの新しいビジネスは外資企業が持ち込んだものばかりではありません。インドネシア地場企業も存在感が強く、また政府も国内産業保護のため外資の参入に一定の規制を設定しています。インドネシアに海外進出する場合は地場企業や財閥グループとの提携、フランチャイズなどの戦略も検討することをおすすめします。

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