ASEANの中でも安定した成長と消費市場の成熟に期待が持てる国ベトナム。中国への投資リスクからの逃避先としても選ばれています。ベトナムに海外進出を検討する企業に向けて法人設立の注意点や法人税についてまとめました。

ビジネス環境が整いつつあるベトナム

ベトナムはここ数年6%前後の安定した成長を見せ、個人消費も安定した国です。ベトナムは南北に長い国で、政治の中心地ハノイのほか、商業的中心市ホーチミンが有名。位置としては中国とタイの中間に位置していて、アジア進出を見据えた投資戦略としてベトナムに進出している企業も数多くあります。

ベトナム自体が消費市場として有望なうえに、周囲にもたくさんの国々があるため貿易がしやすい点もベトナムの魅力です。ベトナムはWTO加盟をはたしてから外資規制が緩和され、ビジネスもおこないやすい環境になりました。交通網などのインフラ整備も徐々にではありますが、整っていくと予想されます。

ベトナムでの法人税

ベトナムの法人税の標準税率は2016年から1月1日から20%となっています。ベトナムではベトナム法人か外資法人なのか、それとも支店なのかに関わらず事業から生じた所得は法人税の対象です。ベトナムで法人税を納税する義務があるのは、内国法人と外国法人に大別されます。

内国法人はベトナムの法律に従って設立された企業や、製造、卸売業などから課税所得を得る各種団体、共同組合法に従って設立されて運営がなされる組合などが該当します。

一方で外国法人は外国の法令により設立された法人で、ベトナム国内に恒久的施設を有する者、ベトナム国内を源泉とする所得を有する者を言います。そのため外国法人であっても恒久的施設を保有している場合は法人税が課されます。

ただし、石油、ガス事業に関してはプロジェクトごとに32~50%の範囲となります。また銀や金、宝石の探査、開発をおこなう企業にはそのプロジェクトの地区に応じて、40、もしくは50%の税率が適用となります。

ベトナムの税務上の優遇措置

ベトナムでは新規投資プロジェクトに対して、規定された奨励分野、奨励地域およびプロジェクトの規模に基づいて優遇措置が受けられます。優遇措置が適用されなかった2009~2013年の期間に認可された事業の拡張プロジェクトにおいても、特定の要件を満たせば優遇措置が付与されます。優遇措置が受けられるプロジェクトには以下のものがあります。

ベトナム政府による奨励分野

教育、ヘルスケア、スポーツ/文化、ハイテク、環境保護、科学研究、技術開発、産業基盤開発、農産物と水産物の加工、ソフトウエアの開発および再生可能エネルギー

開発奨励対象の工業製品製造に従事するプロジェクト

(i) ハイテク分野をサポートする製品
(ii) 衣料、繊維、履物、電子補修部品、自動車組立、および機械分野をサポートする製品で、2015年1月1日時点で国内製造されていないもの、もしくは国内製造されているもので欧州連合(EU)あるいは同等の品質基準を満たすもの

奨励地域

適格経済区、ハイテク区、特定の工業団地および社会・経済的に困難な地域など

大規模製造プロジェクト

総資本が6兆ベトナムドン以上、かつライセンス取得から3年以内にベトナムに払い込まれるプロジェクトで、一定の要件を満たす場合

一定の条件を満たしたプロジェクトは優遇措置として通常は10%および20%の優遇税率が、優遇対象事業活動の所得発生日から、それぞれ15年および10年にわたり適用されます。また一定の条件を満たすと適用期間を延長することもできます。

また優遇措置として免税と減税が用意されています。優遇されるプロジェクトの活動は課税所得発生年度から一定期間法人税が免税となり、一定期間は適用税率が減税となります。ただし、売上計上開始から3年以内に課税所得が生じない場合には、4年目から免税・減税が開始するなど、免税と減税の的確条件は規則で細かく定められています。

ベトナムの短期滞在者免税制度

ベトナムの短期滞在者免税制度
ベトナムでは短期滞在者免税制度も利用することができます。所得税の課税は給与の対価となる役務を提供した国でおこなわれるのが原則です。しかし、日本とベトナムの租税条約によって、条件を満たす短期滞在者は勤務先での課税を免れることができます。短期滞在者の適用条件は以下の通りです。

ベトナムでの滞在期間が課税年度(1月1日~12月31日)に183日までであること

現地法人から給与や手当が支給されていないこと

現地法人が給与を負担していないこと

ただし、短期滞在者免税制度はベトナムにとっては税収の減少に直結するため、申請後に税務調査で否認されるリスクもあります。申請には申請書類が必要なので、出張などで利用する場合は入念に準備しておきましょう。

まとめ

ベトナム経済は2000年代に入ってから注目されるようになり、インフラ整備も進められました。また真面目で勤勉というベトナムの国民性はビジネス相手としても仕事がしやすいと言われています。若くて質が高い労働力は日本企業にとっても貴重な戦力です。ベトナムは日本とは違う税制をしいています。優遇制度など現地の税制を知って、グローバル戦略を計画してください。

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hawaiiwater

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