日本の5倍の国土と世界第4位の人口を持つ国インドネシア、ASEANの中でも存在感が大きな国です。これから消費市場としても期待されるインドネシアの法人税や会社設立の制度について紹介します。

インドネシアへの進出形態

インドネシアは多民族、多言語国家として知られ、多くの資源に恵まれた国です。日本からは自動車製造業や大手食品企業などさまざまな企業がインドネシアに進出しています。その中にはインドネシアをマーケットとして事業をおこなう企業もあれば、インドネシアで製造して他国に輸送するといったビジネスをおこなっている企業もあります。

インドネシアで事業をおこなうには子会社を設立するか、支店や駐在員事務所を作るという選択肢があります。子会社設立を選択する場合、外資法人である(PMA:Penanaman Model Asing)と、内資法人である(PMDN:Penanaman Model Dalam Negri)の2種類に分けられます。この2つは進出時の制限や規制が違うため条件を比べてから選択するようにしましょう。

またインドネシアで支店を設立する場合、金融業・保険業などの特定の業種以外は支店設立できません。そのため外資法人がインドネシアに進出する場合は、子会社か駐在員事務所の設立が一般的です。

インドネシアの駐在員事務所の形態

インドネシアの駐在員事務所の形態は、外国商事駐在員事務所・外国建設駐在員事務所・外国駐在員事務所の3つです。それぞれ紹介します。

外国商事駐在員事務所(商業省に登録)

外国商事駐在員事務所は貿易の円滑化を目的としていてインドネシア国内でのマーケティング活動、宣伝活動が可能です。市場調査やプロモーション活動のほか、場合によっては契約締結もおこなうことができます、ただし、入札や契約署名のような営利活動は認められていません。

外国建設駐在員事務所(公共事業庁に登録)

外国建設駐在員事務所は建設の準備をする事務所で大企業が進出する場合に認められる形態です。現地での入札や契約業務がメインとなり、入札や建設工事を受注するために公共事業省から建設ライセンスを取得します。

ただし、外国建設駐在員事務所のみの工事受注は認められておらず、必ず現地企業とジョイントベンチャーを設立しなければいけません。条件なども厳しいため、子会社を設立したほうが負担は少ないかもしれません。

外国駐在員事務所(投資調整庁登録)

外国駐在員事務所は、企業間調整や進出準備が目的。日本本社の利益管理やインドネシアの現地法人設立の前段階に設立する事務所です。設立可能な地域も限られており、設立機関や設立場所などにも制限があります。

内資法人(PMDN)と外資法人(PMA)の違い

内資法人のPMDNの場合はネガティブリストに関係なくライセンスを取得することができますが、外資法人であるPMAではネガティブリストに載っていると資本比率などの規制を受けます。またPMDNは最低払込資本金が1250万ルピア(日本円で約10万円 2019年11月時点)ですが、PMAの場合は25億ルピア(日本円で約2,000万円 2019年11月時点)です。そのため資本が潤沢にあってネガティブリストに関係ない業種であればPMAでも問題ありませんが、多額の投資を避けたい、ネガティブリストに関係する業種である場合はPMDNが適しています。

ただし、外資が1%でも含まれていればPMAになるため、PMDNは一切の外国人の出資が許されていません。法人登記の際もインドネシア国籍の名義人を2名集めることになります。会社を設立してからも日本人が株主となることは許されず、所有者はインドネシア人になります。

上記のような事情があるため、せっかく進出してもインドネシア人にそのまま会社を乗っ取られてしまうリスクもあります。あらかじめ契約書を交わしてリスクをコントロールすることも大切ですが、インドネシア投資の際には信用できるパートナー探しがカギを握っています。

インドネシアの法人税

インドネシアの法人税
インドネシアでの法人は法人所得税の納税義務者となり、キャピタルゲインを含む所得に課税されることになります、また付加価値税(Value added tax-VAT)や奢侈品販売税(Sales tax on luxury goods)が課されます。

インドネシアの法人税率は25%です。ただし、株式の40%以上を公開している上場会社の場合、20%となります。また年間売上高によっても税率が変わります。年間売上500億ルピアまでの企業の場合は48億ルピアまでの課税所得に対して、法人税率(25%)の2分の1の12.5%です。
年間売上高48億ルピア以下の企業の場合、ファイナルタックスで毎月の売上高に対して0.5%課税です。地方法人所得税はありません。インドネシアは日本インドネシア租税条約も結ばれていますが適用を受ける際には居住者証明が必要です。インドネシア税務当局により定められたフォーム(DGT-1)に必要事項を記入し、日本の税務当局の承認を受ける必要があるので準備しておきましょう。

まとめ

インドネシアは外資優遇制度も整備されている国。これからASEANに進出したいと考えている企業にとっても魅力的でしょう。インドネシアには会社法制度など日本の法制度とは違う点も数多くあります。ネガティブリストの調査や進出形態などはノウハウがある専門家に依頼することをお勧めします。会社登記も複雑でわかりにくいため、代行業者を利用してください。

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