フィリピンはアジアの中でも近年成長が著しい国です。親日家が多いことでも海外進出先として有望視されています。フィリピンにおける法人や会社設立のための制度を紹介します。

フィリピンの法人税

フィリピンでは対象法人が「国内法人」「居住外国法人」「非居住外国法人」のどれに該当するかによって適用される法人税の課税所得が違います。フィリピン法の下で設立された国内法人はすべての課税所得に対して最高30%の税率で課税されます。

一方、フィリピン国内で事業従事する支店などの居住外国法人についてはフィリピン源泉の課税所得に対してのみ、国内法人と同じ税率で課税となります。またフィリピン国内での事業に従事しない非居住外国法人は控除もなく、フィリピン源泉の総所得に対して最高30%の最終源泉税が課せられることになります。

フィリピンの法人税制度が持つ特徴の1つが最低法人所得税です。これは課税所得が多くても少なくても最低でも売上総利益に2%を乗じて計算される最低法人所得税 Minimum Corporate Income Tax(MCIT)の納税が求められる制度です。つまり、控除項目や事業経費が多く課税所得が少なかった場合であっても最低で売上総利益の2%を納税することになります。

最低法人所得税は、いわゆる外形標準税で事業開始から4年度目の課税年度から適用となります。最低法人所得税として支払った金額は、支払の翌年度以降3年間に渡って法人所得税から控除することが可能です。

フィリピンに海外進出するには

フィリピンに進出を検討する場合、子会社や支店、駐在員事務所などの形態を利用できます。フィリピンで設立した子会社は本国の親会社と別の法人格を持ち、フィリピン会社法に則って経営されます。フィリピンの会社法によると、取締役の人数は5名以上、15名以下。さらにその過半数はフィリピンの居住者であることが求められます。また取締役は最低一株の株式保有が義務です。また一般的に外国人投資家が40%以上投資している場合、20万米ドルの資本金の払い込みが求められます。

フィリピンでは支店の開設も可能です。支店であれば国外の本社の一部として位置づけることが可能なうえ、子会社設立に比べて設立要件等が簡易です。ただし、支店を開設する場合も最低20万米ドルの資本に相当する金額を払い込む必要があります。また本店に送金する場合は支店利益送金税が課せられます。

駐在員事務所も支店同様に本社の一部と位置付けられます。フィリピンの駐在員事務所は所得を獲得するような活動はおこなわず、情報収集などに従事します。駐在員事務所を開設する場合は、最低3万米ドルの送金が求められ、この運転資金の範囲内で業務をおこないます。駐在員事務所であっても財務報告や税務申告は子会社、支店同等の手続きが求められます。

フィリピンでは上記のほかにも地域統括本部や地域事業統括本部といった形で進出することができます。地域倉庫の設立も可能なので事業に適した形態を選択しましょう。

また外国投資ネガティブリストに記載された業種は、外国企業の投資は禁止、もしくは制限されています。インターネットビジネスや特定の専門職は外国資本の投資が禁止されているので注意しましょう。

フィリピンで実施されている優遇措置

フィリピンで実施されている優遇措置
フィリピンは外国からの投資を積極的に受け入れている国です。そのため優遇制度も手厚く投資委員会(Board of Investments:BOI)に登録することで、優遇措置を受けることができます。優遇措置は以下のものです。

法人所得税の免税(パイオニア企業6年間、非パイオニア企業4年間)

原材料・半製品の購入にかかる税金の税額控除

輸入材料やスペア製品のかかる輸入関税の免除

輸出税、関税賦課金の免除

労務費の50%追加控除(登録後5年間)

法人税の免税期間が終了すると、通常通り30%での課税となります。また優遇措置は会社単位ではなく、プロジェクト単位なので該当するプロジェクトに関連しない活動から生じた所得は対象とならないので注意しましょう。

PEZA(Philippine Economic Zone Authority)と呼ばれる経済特区も設けられています。経済特区に入居してPEZAに申請認可を得ると優遇措置を受けることが可能になります。さらにPEZA登録企業は固定資産税を除くすべての国税や地方税が免除です。つまり、法人税や付加価値税、関税などの税金はすべて免除です。このタックスホリデー終了後は特別税を支払うことになります。

ただし、これらの優遇措置は事業の内容や年によって内容が変わります。必ず最新のものを確認するようにしてください。

まとめ

フィリピンは将来ASEANの大国として世界的に台頭することも予想されている国です。外資誘致にも積極的で英語も通じやすいフィリピンは日本企業にとっても魅力的な市場といえるでしょう。多くの大企業がフィリピンに進出しています。フィリピンの法人税や会社設立の制度は独特な面もあるので、海外進出の際はコンサルタントや専門家の協力を仰ぐようにおすすめします。”

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