中国経済の発展は世界的に見ても大きな事象です。中国の経済発展モデルは今後、他の国が発展していく上でも重要となるでしょう。今回は中国経済の課題とリスクについてまとめました。これから中国に進出する企業もぜひ参考にしてください。

産業革命によって別れた明暗

中国といえば、この30年で急激な発展を遂げたアジアの大国であるというイメージが強い人もいるかもしれません。しかし、中国は歴史的に見て、古くから世界にインパクトを与え続けてきた国です。

日本と清が戦うこととなった日清戦争当時、清は世界で一番のGDPを誇る国でした。一方で当時の日本のGDPは清の5分の1です。日清戦争で清が負けたことについては、日本が西洋化して工業の発展が著しかったことを指摘する声もあります。

GDPは工業や農業、サービスなどの生み出された付加価値を数字で表すものですが、農業が強い国と急速に西欧化を受け入れた国の間に差が生まれたということもできます。

中国が今の地位を確立するまで

中国が今の地位を確立するまで
中国はずっと人口が多いイメージもあるでしょう。しかし、17世紀ごろの推定人口は1億人前後、19世紀前半に4億人を突破したといわれています。この急激な人口増加の背景にあるのが新大陸で発見されたトウモロコシやサツマイモなどを導入したことによるものです。

これらの作物は痩せた土地でも育ちやすく、多くの山地が農地として開拓されました。また、人口が増加したことで小作人が増えたことも国の発展への足掛かりになりました。こうして農業によって中国は経済大国に発展していきます。

人口が急激に増加した原因の1つには、税制が人に課税する人頭税から土地に対して課税する土地税になって戸籍登録が進んだこともあります。人頭税があった時代は戸籍に登録しようとしないものも多かったといわれています。

当時の納税は銀を納めるものでした。しかし、アヘン戦争によって銀の流出が激しくなると、銀の価値が上がって相対的に作物の価値が下がります。庶民の生活への負担が大きくなった結果、国家としても困窮して清の衰退につながりました。

19世紀を通じて産業革命を進める中で、中国はその経済的影響力を落とした時期もあります。しかし、歴史の流れからみると中国が勢いを落としたのは一時的なことです。過去も現在も変わらない大国であるといえるでしょう。

人口を武器にした成長にブレーキがかかる

中国が経済発展した背景には豊富な労働力があります。清の時代にも人口が爆発的に増えたため、多くの作物を生産する大国でした。また手工業も盛んで絹織物や綿織物も大量に生産され、人口や農地が増えたことに対応して農具などの鉄加工も盛んにおこなわれています。

中国が世界の工場となったもの、安い労働力を武器にしたものでした。中国は、1980年ごろから経済開放政策を推し進め、積極的に外国企業や工場を誘致して受け入れます。これにより新しい技術や資本を取り入れたのです。

日本からも多くの企業が安価な労働力を目的に中国に工場を建設するなど進出するようになりました。中国は用地も豊富で工業の原料となる鉱産資源も豊富にあります。これらの要素を組み合わさって、世界の工業を担う大国となったのです。

現在の中国が抱える課題とリスク

現在の中国が抱える課題とリスク
中国発展の特徴であった人口増加も近年は陰りが見えています。2018年の中国の出生数は1,523万人、これは2017年の出生数1,723万人から200万人も減少した数字です。
ご存知のように中国は1978年から一人っ子政策をスタートしました。しかし、将来的に働き手が少なくなり、経済に悪影響がでるとの懸念もあり、2016年にこの政策を廃止しています。現在では夫婦1組に対して2人まで子供を持つことができます。しかし、依然として3人以上の子供を持つことには罰則があります。

ただし、制限を撤廃したとしても36年間も続いた人口抑制策の影響は、短期間に対応できるものではありません。いずれ少子高齢化の波が中国を襲うことになります。人口が高齢化すれば労働人口は減り、賃金は上昇する傾向があります。また、年金や医療費という問題も起こる可能性もあります。急速な高齢化は世界トップを目指す中国の重しになりかねません。

まとめ

中国は豊富な天然資源や人口を武器にして、成長を続けてきました。しかし、武器であった人口増加は今後弱点になる可能性があります。企業の労働コストが増加すれば、製品の組み立てのような労働集約型の産業は競争力を維持することが難しくなります。人口構成の変化は経済発展に負担になります。中国経済の今後の動向に注目が集まります。

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