日本から海外進出を行う企業が増えており、今や大企業だけでなく、中小企業やスタートアップ企業でも海外進出は盛んだが、実態としては、業界によって進出状況に偏りがあります。

増える日本企業の海外進出

日本企業の海外進出は、年々増加傾向にあります。たとえば、外務省による「海外在留邦人実態調査」がありますが、こちらの資料でも海外に在住し、働く日本人が増加しているというデータが出ています。

平成29年10月時点の調査では、海外に在留する邦人総数は135万1,970人となっています。これは前年比約1パーセントの増加です。

また「海外進出日系企業実態調査」では、日系企業の総数が7万5,531拠点で前年より約5.2パーセントの増加となりました。このデータはどちらも、過去最多を更新する結果となります。

また2018年7月1日調査の「海外事業活動基本調査概要」でも、2017年度実績として現地法人従業者数の前年度比+6.5パーセントの増加、さらに現地法人の売上高の前年度比+11.8パーセントの増加を伝えています。

地域別の変化としては、北米、欧州は減少したものの、アジアの現地法人数は増加傾向です。アジアの全地域に占める割合は66.5パーセントです。ただし、中国の割合は減っています。

海外進出の多い業界

日本人や日本企業の海外進出においては、業界ごとに拠点数(企業数)に差があります。海外進出に積極的、もしくは向いている業界とそうではない業界があるという傾向が見えてきます。

日本人や日本企業のうち、海外進出が多く見られるのは、製造業や卸売業です。さらにその後にサービス業やIT・通信業などが続きます。

製造業の拠点として海外工場を考える企業が多いため、製造業界の割合は高いままで推移しています。ただしそれ以外の業界でも勢いを高めている業界があります。

それがIT業界です。エンジニア育成に積極的な国では、エンジニアの雇用がしやすく、さらに人件費を抑えることも可能となっています。
そのためIT開発の分野では海外進出への期待が高まっていると考えられます。さらに、アパレルなどの消費市場としても海外の国々に魅力を感じ、進出を果たす企業が増えています。

海外進出の少ない業界

一方で、上記以外の業界での海外進出は、比較すると、数も割合も伸びは緩やかになっています。

とくに第一次産業では農林水産業界が前述のデータでは全体の0.7パーセントです。鉱業、建設業も次いで低めとなっています。

また物流業や人材業、金融保険業なども盛んではありません。ただしその一方、海外で宅配業をスタートさせる企業も出てきています。とくに経済のグローバル化と生活水準の向上によって、アジアでのサービス展開に希望を見出しているようです。

このようなこれまでとは違った流れが起こることもあるため、今後も海外進出についての傾向は変わらないとは言えません。

業界・国ごとの海外進出の魅力と優位性


海外進出の活発さに業界ごとの差が出るのは、その業界の特性によって海外進出が魅力であるかどうかに関係しています。

たとえば製造業では海外の労働力を使うことでコストダウンが可能になりました。他にも、ベトナムではITエンジニアの育成に力を入れており、IT・通信業界での海外進出のターゲットとして注目されるようになりました。また中国ではアパレル関係の消費を期待して進出する企業が増えています。アメリカでは、日本食ブームが起こったことで、関連企業の進出が増えました。

このように、海外進出のメリットの感じ方はそれぞれです。こうした企業らを分析し、具体的なメリットを知ることで、自社の海外進出のきっかけにすることができると考えられます。

業界ごとの海外進出のリスクと注意点

海外進出を考える上では、各国でそのリスクの種類も変わるため、業界ごとに進出するのに向いている国、向いていない国を考えることが必要です。前述したベトナムでは、人件費の高まりが起こっており、そのために製造業界の進出が難しくなっています。

また、これから海外進出を考える企業では、まずは近隣のエリアから検討してみる方がよいかも知れません。アメリカなどは、そこからの海外進出によって世界的シェアも視野に入れられるため、注目されやすい国ですが、アジア圏なども合わせて検討してもよいでしょう。

海外進出を考えない企業も

日本から海外進出を考えるには、さまざまな乗り越えるべき壁があります。それらを1つずつクリアにしていかなければいけないため、二の足を踏んでしまう企業もあるようです。

海外進出において必要なものに、資金や人材、海外でビジネスを行うためのノウハウなどがあります。そこまで資金を掛けられない、人材を育てられないという、経済的にも人的にも現状の事業で手一杯だという企業の悩みも見えてきます。

また、製造業にはメイドインジャパンにこだわる企業もあります。もしくは、輸出で海外市場に対応できるという考え方もあります。

人材や資金を投入してまで海外に拠点を置かなくても、海外市場を活用できるという考え方です。

まとめ

このように、全体として海外進出は増加傾向にありますが、業界や企業によって、その判断にばらつきがあります。全体のトレンドを認識しつつ、各企業にとって海外展開のもつ意味をよく検討することで、ビジネスの拡大に一歩近づくことが出来ます。

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hawaiiwater

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