多くの企業が海外進出する中で、グローバルな人材を求める企業も増加しています。しかし、英語や仕事の知識はすぐに理解できても、慣習的な海外ビジネスの文化は理解しにくいこともあるでしょう。日本とはどのような違いがあるのでしょうか。

海外から見た日本ビジネスの姿

海外から見た日本型のビジネスの特徴として挙げられるのが、自己表現が少なく、明確な意思表示が少ないというものです。特に日本人の発言は何を意味しているのかわからないという意見が良く聞かれます。例えば、英語であれば、発言な最も重要な部分であるYes/Noは発言の冒頭にきます。一方で、日本語の場合は、最後まで聞かないとYes/Noを判別することができません。また、最後まで聞いたとしても結局どのような結論なのかわからないこともあります。海外とビジネスするときには、まず結論からわかりやすく、簡潔に伝えましょう。

また、日本のビジネスマンに対しても、仕事熱心で勤勉である一方で、真面目過ぎると評価されることがあります。特にプライベートと仕事の時間が曖昧であったり、残業に対してルーズであったりすることに違和感を覚えるようです。海外法人を設立したり、現地雇用をしたりする場合もこの点は日本とは違うことを注意しておきましょう。

名刺交換と握手

海外と日本では挨拶から大きく違います。日本においてビジネスで必須なのは丁寧な挨拶と名刺です。丁寧にお辞儀をして名刺交換するところからスタートします。一方で、アメリカやイギリスなどの経営者に多いのが力強い握手です。各国首脳会談などが握手している映像を見かけることもあるでしょう。力がこもった握手は、自信ややる気を伝えるコミュニケーションとして世界的に使われています。

日本において、名刺交換には多くのマナーがあります。渡す順番や位置などにこだわるため堅苦しく感じる外国人も多いかも知れません。海外ビジネスでは名刺交換はカジュアルなのが当たり前と考えてください。日本の名刺交換は堅苦しく思う人もいる一方で、丁寧で気持ちが良いという評価も得ています。場面ごとに上手に使い分けられるようにしておきましょう。

海外ビジネスでは、仕事の話だけをしていればいいわけではありません。仕事を円滑にするため、いろいろな話をする機会もあります。会食やランチミーティングの際、かしこまって何も話せなくなるよりも、豊富な話題を提供できるように準備をしておきましょう。自分の趣味や家族、日本文化などは話せるように練習しておきます。ただし、宗教や政治はタブーになることもあるので、話題にはあげないようにしてください。

コミュニケーションの違い

コミュニケーションの違い
海外と日本でのビジネスの違いはコミュニケーションに現れます。日本でのビジネスは基本的に「和」を重視します。そのため相手が聞きたくないようなことは、あえて言葉にしない、もしくは婉曲的な言い方で伝えます。また、日本人は面目や世間体を重視する傾向があり、それゆえに相手のメンツをつぶさないことを意識して行動する傾向です。

例えば、上司の考えに違和感があっても口に出さなかったり、相手の間違いを直接注意しなかったりするのも日本的な文化です。一方で、欧米などはオープンで直接的なコミュニケーションが普通です。相手の間違いを指摘したり意見が対立したりすることを嫌がりません。逆に言葉でハッキリと伝えようとしない日本人に対して不信感を抱いてしまうこともあり得ます。

信頼性の置き方が違う

日本でのビジネスでは、問い合わせに対して「可能であると思うが、返事を待ってほしい」とった回答がされることはよくあります。これは、日本人がほぼ確実にできることでなければ「できる」と回答しない、慎重な性質の現れです。逆に「できる」といったにもかかわらずできなかった場合は、非難の対象となることもあります。一方で海外の多くの国であれば、大体できそうであれば「できる」という回答をすることがあります。そのため、実際には不可能であったり、期日に間に合わなかったりすることもあるのです。

日本人は持ち掛けられた仕事を「できる」というまでに時間はかかりますが、確実に仕事をしようとするのに対し、海外ではもっとアバウトであることが多いと考えてください。ただし、これは必ずしも日本ビジネスの良い点とは言い切れません。日本では能力を過小評価して、確実にできると判断できることしか「できる」と言わないこともあります。反面、海外ビジネスは決断もスピーディというメリットがあります。

まとめ

海外ビジネスとの違いは、その国の慣習や言葉、文化によるものです。そのため、すぐに理解し合えるとは考えない方がいいかもしれません。ビジネス文化の違いはどちらが正しいと断ずることはできませんので、お互いにどう感じているのか意見を出し合って、理解を進めることが海外ビジネスを進めるうえで重要です。海外ビジネスをきっかけに視野を広げ、相手の文化を知って事業に役立てましょう。

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hawaiiwater

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