海外進出はメリットも多く魅力的ですが、準備不足でスタートすると、どこかでとん挫をしやすくなります。適切な準備期間を設けて、効率良く、必要な行動をとりましょう。

海外進出計画の策定

海外進出では、スケジュールや目標策定・管理、段階ごとの評価なども大切です。全体のスケジュールを作成したら、それにしたがって全社とチームが同じ方向を向いて進みます。

海外進出には多くのリソースとコミットメントが求められ、それに従い、獲得できる情報量や意思決定の質などに影響を与えることもあります。

ただし、段階ごとの評価次第では、一段階前に戻って検討する冷静さも必要です。はじめは綿密でなくともよいので、表形式で進出に必要な行程や進出時期などをまとめます。

生産計画・販売計画・設備計画・人員計画・資金計画などが必要です。また計画案の作成とともに、ビジネスとしての各段階での具体的な目標・KPIも挙げておきましょう。

社内で海外進出計画にあたる中心メンバーを選び、プロジェクトチームを作ったら、具体的な詳細案を練っていきます。

現地訪問による調査や現地パートナー会社との交渉も行う必要があります。この際に、日本企業の意思決定の遅さに海外パートナー候補会社が失望することもあるため、意思決定をスムーズに行えるチーム構造を構築することも忘れてはいけません。

情報収集と市場調査

最初に重要かつ難易度が高いのが情報収集です。海外進出を目指す場合には、はじめての土地で起こるリスクの予見と対応方法がわからないことが多くなります。そのため失敗のリスクも高くなるのです。

不適切なビジネス手法を取り入れたり、誤ったターゲット層を想定したりといった、無知からの間違いは、大きな資金投入を伴う海外進出では命とりにもなり得ます。そのため、海外という物理的に情報入手困難な状況でも、適切な情報収集を行うことが求められます。

基本的な情報としては、各国のビジネスの方法、法制度や商習慣、労働者の気質や人件費の平均などが挙げられます。人件費に関しては、一般雇用に加えて管理職層まで、それぞれにかかるであろうコストの概算を知ることも大切です。

これらを知ることで、実際の事業を現地に合った状態でスタートする礎とし、労務管理や雇用のリスクを検討することができます。また海外を販売の拠点とする際には、販路やターゲット層の関心、自社商品やサービスのニーズ、参入の可否などを探ることも大切です。

進出する地域の選定


情報収集とともに、自社のビジネスに適した国や地域の選定を行います。海外進出では、各国の安全性や社会情勢をはじめ、ビジネス上の優位性などを検討した上で適切な進出先を選ぶことが大変重要です。各国の社会情勢は刻一刻と変化しているため、新しい情報を集めた上で十分に検討しましょう。

安全性、社会情勢は重要な観点です。国の情勢によっては、戦争やテロなどに派遣した社員が巻き込まれるおそれもあります。また、国によっては日本から法人として進出できないこともあります。他にも、諸外国の法制度は日本からではわかりにくいですが、外せない確認条件の1つです。

さらにその国や地域でのビジネスの可能性についても検討します。自社のサービスや商品が参入できる余地はあるか、人件費など、予算の範囲内で抑えることが可能か、信頼できるパートナー会社があるかなどです。

国によっては、物流事情やインフラ面での不安などが大きい場合もあります。場合によっては現地競合と戦うだけのメリットや必要性が見いだせないと判断し、大幅に進出地域を変更することも必要です。

予備調査と現地調査

海外進出の準備においては、国内にいながらの調査と現地に出向いての調査が必要となります。予備調査としては、インターネットを用いての情報収集などが主になります。

一方で、インターネットによる情報収集では情報の真偽や新しさに不安もあり、情報の精度を見極めることが大切になります。不足を補うために、国内の海外進出を支援するプラットフォームなどを活用することも必要です。

こちらの場合には、実際に長きに渡って海外でのビジネスを成功させてきた人や企業から情報を得ることができ、信ぴょう性も高くなります。

国内での予備調査に続き、必ず現地調査が必要です。具体的な進出地域候補が決定したら、現地に赴き、国内での調査結果と事実の照らし合わせや国内では得られなかった情報の獲得を目指します。

予備調査では、法や税制・社会情勢・労働や賃金・インフラなど、広く情報を集めますが、現地の生の情報は最終的に自分の目で確かめることが必要です。

また、パートナー会社や取引先の候補先を知るのも現地調査で行うべきこととなります。パートナー候補や取引先候補との面談を行い、契約を目指した交渉を行います。

加えて、製造拠点として海外進出を考える企業は、工場建設の施工会社選びや手続きなども行うことが必要です。

まとめ

以上のように、海外進出を行うには、事前の周到な計画、進出先候補地を決めてからの予備調査、現地調査を入念に行い、適切なプロセスに従って、リスクを排除した取り組みを行うことが重要になります。

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hawaiiwater

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