ニュースや経済誌などでも聞くことが増えたユニコーン企業という単語。日本でも多くのユニコーン企業を生み出すための試みがスタートしています。ユニコーン企業の定義や代表的なユニコーン企業をまとめました。

ユニコーン企業とは?

企業としての評価額が10億ドル(約1250億円)以上で、非上場のベンチャー企業を指す言葉です。上場を果たしたり、起業してから長くなったりすると条件から外れてユニコーン企業ではなくなります。つまり、新しく生まれるユニコーン企業もあれば、条件から外れてユニコーン企業とは呼ばれなくなる企業もあるのです。

また必須というわけではありませんが、ユニコーン企業はハイテク企業であることも条件といわれています。時代に即したもしくは先行するような企業が価値を認められユニコーン企業と呼ばれます。

ユニコーン企業の上位クラスとしてデカコーン企業とヘクトコーン企業もあります。デカコーン企業は100億ドル以上となったユニコーン企業に使用され、ヘクトコーン企業は1,000億ドル以上のユニコーン企業に使用される言葉です。

ユニコーン企業という言葉は、ベンチャーキャピタルの一つ米カウボーイ・ベンチャーズの創業者が使い始めたといわれています。ユニコーンは想像上の一本角が生えた生き物です。この当時は多大な利益を狙えるベンチャー企業も少なく、伝説にしかいない幻獣になぞらえてユニコーン企業と呼ばれるようになりました。

ユニコーンのように稀で多大な利益をもたらす可能性がある企業を世界中の投資家が探しています。ベンチャーキャピタルは高いリターンを求めて、さまざまな先進的な企業に積極的に投資をおこないます。

ユニコーン企業という言葉が生まれた当時はユニコーン企業とみなされる企業は世界に39社だけでした。しかし、2019年12月のデータでは世界のユニコーン企業数は419社、ユニコーン企業の合計評価額は1,309億ドルとなっています。
参考:『The Global Unicorn Club』

世界の有名なユニコーン企業

ユニコーン企業の中には私たちがすでに知っている企業も少なくありません。有名なユニコーン企業を紹介します。

Airbnb(エアビーアンドビー)

Airbnbは、もうすぐ上場してユニコーン企業を卒業するともウワサされている有名企業です。2008年に設立され、世界192カ国の3万3,000の都市で宿泊施設を提供しています。空き部屋を有効活用したい人と、宿泊先をマッチングするサービスで、訪日外国人客の中でも利用する人は少なくありません。

Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)

プリファード・ネットワークスは、日本初のユニコーン企業。AIのディープラーニングによって制御技術の開発をおこなう企業です。交通システムや画像解析、物体認識や制御などの事業をおこなっています。トヨタ自動車、日立製作所、NTTといった国内のさまざまな大手企業と提携を行っていることでも国内外の投資家から注目されています。

Facebook社やTwitter社のような世界の有名企業も以前はユニコーン企業の一員でした。現在のユニコーン企業も同様に大企業へと成長する可能性を秘めています。

日本のユニコーン企業を増やすための試み

日本のユニコーン企業を増やすための試み
ユニコーン企業は多くがアメリカや中国から生まれています。残念ながら2019年12月現在、日本のユニコーン企業は3社。これは韓国の10社、インドネシアの5社と比べても少ない数字です。

中国はスタートアップ企業が資金調達しやすい環境があり、IT分野での起業ブームの時に生まれた企業が、現在まで生き残ってユニコーン企業に成長している例が多いことが要因とも言われています。またアメリカのシリコンバレーはスタートアップ企業が生まれてきやすい、投資によりグロースするエコシステムが成熟した環境です。

一方で日本は起業するためのコストが大きく、起業のメリットが少ないためユニコーン企業も少ないといわれています。そこで日本ではスタートアップ企業を育成するための総合戦略を発表しました。

2020年中にスタートアップ企業が集積する「拠点都市」を2~3カ所選び、規制緩和や起業家、投資家の招致といった形でサポートする戦略です。日本のスタートアップ企業は2018年時点で約1,400社あります。計画ではそれを24年までに2倍に増やし、ユニコーン企業も各拠点都市に5社以上つくる目標も掲げています。

スタートアップ企業は特定の都市に集積する傾向があるため、日本でもシリコンバレーのような集積地を作る計画を立てています。また大学との連携も進めて、起業家育成のためのプログラムを設けた大学には運営費交付金などを通じて支援をおこないます。会社経営の観点からより実践的な講義をおこなうことで未来の起業家を育成します。

また2019年5月にはデジタルファースト法が成立しました。インターネットを利用して法人設立が可能になるなど、より効率的に電子化され企業のための制度面で企業環境を整備します。

まとめ

ユニコーン企業が増加している世界の環境は起業を目指す人にとっても、投資家にとっても魅力的です。多くのユニコーン企業が新しいアイディアで生活をより便利にしたり、新しいテクノロジーをもたらしたりと世界の成長発展に貢献しています。もちろん新しく起業を一から立ち上げることも選択肢ではあります。事業の多角化や他企業との合弁など既存の企業にも多くのビジネスチャンスがあるでしょう。”

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