食品・外食産業の先進国イタリアのフードテック最前線とイノベーションエコシステム

vol.28

2020.03.16

イタリアのイメージといえば、日本では高級ブランドやサッカーですが、近年はスタートアップへの注目が高まってきています。今回のイベントでは、ミラノ発の食品業界向けスタートアッププログラムである『フードテックアクセラレーター』出身の海外フードテックスタートアップ企業のスペシャルピッチに加え、『日伊企業間のイノベーション協業事例』等についてお話いただきました。


イタリアにおけるスタートアップ環境とフードテックの盛り上がり

イタリアではフードテック領域において質が高く先進的な取り組みが行われています。スタートアップやイノベーションが活発ですが、そのひとつの要因として政府によるサポート体制が整っていることが挙げられます。

さらに、イノベーションとスタートアップによる経済の発展と投資のためのイベントを長年開催しており、このイベントは年々成長・成功を続けており、現在イタリアにとって新たなイノベーション創出には欠かせないイベントになりました。

 

イタリア国内でのスタートアップへの投資額は、2014年は35億ユーロ(約4,200億円)でしたが2019年には97億ユーロ(約1兆1,650億円)となり5年間で約2倍にまで拡大しました。また、投資額の約65%を海外マネーが占めています。食品産業は伝統的にイタリアにとって最も重要な産業分野であり、注目度も高くこれからもイノベーションの余地がある領域です。

近年、『食』に関する大企業やベンチャー企業間の事業提携が広がりを見せており、スタートアップエコシステムも構築されつつあります。

 

2019年には、世界のフードテックベンチャーを対象としたアクセラレーションプログラムが開催され、食をテーマに生産から販売まで幅広い分野で41カ国300のスタートップ企業から応募がありました。その中からイタリアの大企業との新規事業やPoC機会創出をめざすことを目的にイスラエル、米国、イタリアなどの企業7社が採択されました。


イタリア進出のノウハウ

イタリアでのビジネスは長期的なアプローチやパートナーシップを重視する顧客中心主義であり、日本人と文化的相性が良いです。またイタリア人は、日本人がイタリアに対して好意的な印象を持っていることを理解しています。これは非常に重要なことです。

ビジネスの成功の為には、市場や競合他社を検討し成功事例や失敗事例から学ぶことも必要です。様々な事例を知ることで成功に近づくことが出来ます。

日本のスタートアップや企業は、イタリアでの開発パートナー(欧州規制・認証の認証・遵守)、販売パートナー、食やアパレル領域での製造パートナー等、適切で信頼出来るパートナーを見つける必要があります。そのためにはパートナーと事業の核のコンセンサスが取れている必要があり、コミュニケーションが非常に重要となります。


事例紹介とピッチセッション

その他にアサヒとイタリア最大のビール会社の一つであるBirra Peroniとの協業事例の紹介や、フードテックアクセラレーターで採択された、イタリアスタートアップ企業2社のピッチセッションが行われました。